「もう少し泳動距離を長くしたかった。」 「色素を目印に泳動を止めたのに、見たいところが既にゲルから抜けてしまった。」
これまでは電気泳動の終点の確認にはBromophenol blueやXylene cyanolなどの低分子色素を基準としてきました。しかし、これら色素はゲル濃度や泳動条件によって移動度が大きく変化してしまうため、泳動しすぎなどのトラブルの原因となっていました。特に、RNAのような貴重なサンプルの電気泳動において失敗は避けたいものです。
DynaMarker® Prestain Markerシリーズは着色した核酸鎖で構成された、変性ポリアクリルアミドゲル用(DM253)および変性アガロースゲル用(DM260)のプレステインマーカーです。低分子色素とは異なり、核酸鎖を骨格としているため、ゲル濃度や泳動条件による見かけ分子量の変化がほとんどありません。また実際の核酸鎖と同様、シャープなバンドが得られます(図1)。
さらには、メンブレンへの転写も可能ですので、ノーザンブロッティング時のブロッティング効率を確認できることも最大の特徴の一つです。プレステインマーカーを同時にブロッティングすることにより、メンブレンの上下左右を間違えることもなくなります(図2)。
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DynaMarker® Prestain Marker for Small RNA Plusの電気泳動像(64倍速)
図1 10 % および15 % 変性アクリルアミドゲルにおける RNAマーカー(DynaMarker® Small RNA II : DM192) +75 base RNA*とDynaMarker® Prestain Marker for Small RNA Plus の泳動比較
図2 10 % 変性アクリルアミドゲル電気泳動像と ナイロンメンブレンへの転写像