10kbまでの一本鎖DNAの調製ができます
Long ssDNA Preparation Kit (LsODN Preparation Kit)
製品の特長
-
1,500 base、3,000 baseまたは10,000baseまでの長鎖ssDNAが調製できます。
-
変異や末端の欠失を含まない長鎖ssDNAが得られます。
-
全操作は、一般的なdsDNA断片の調製法とほぼ同じで、特別な機器や試薬は必要ありません。
製品の内容
簡単な操作によって、高い純度で正確な配列を有する長鎖の一本鎖DNA(ssDNA)が取得できます。
長鎖の一本鎖DNA (~10,000 base)をNicking酵素法によって調製するためのキットです。その工程は、通常のdsDNAを調製する方法とほぼ同じです。まず、添付のプラスミドに目的のDNA断片が2つのNicking酵素サイトの間、あるいはNicking酵素サイトと制限酵素サイトの間に入るように挿入します。次に、そのプラスミドを、Nicking酵素や制限酵素を用いて消化します。消化したプラスミドは、変性させた後、通常のアガロースゲル電気泳動を行います。最後に、先頭のバンドを切り出し抽出、精製するだけで目的のssDNAが得られます(原理及び操作法参照 )。
ssDNAは、種々の目的に使用されて来ましたが、その調製にはPCRや合成DNAオリゴマーの使用、エキソヌクレアーゼ反応、逆転写酵素反応等の工程があることから、内部の変異や末端の欠失を含むものが生じることは避けることができませんでした。また、精製には変性アクリルアミドゲル電気泳動やストレプイトアビジン被覆常磁性ビーズなどが用いられて来ましたが、大量のdsDNAの混入が指摘される場合もありました。
本キットを用いることによって、簡単な操作によって、高い純度で目的の配列を有する長鎖のssDNAを取得することができます。
※ssDNA専用のゲル抽出キットが本キットに含まれます。
原理及び操作法
-
添付のプラスミドに目的のDNA断片を2つの酵素サイトの間,あるいはNicking酵素サイトと制限酵素サイトの間に入るようにクローニングします
プラスミド構築に有用な高効率(1×109cfu)コンピテントセルはこちら
JetGiga Competent Cell (DH5α) (code# DS230) -
そのプラスミドを目的DNA断片の両末端のNicking酵素や制限酵素で消化します
-
消化したプラスミドを Denaturing Gel-Loading Bufferと混合し変性させた後,通常のアガロースゲルを用いて電気泳動を行います
-
先端の目的長鎖ssDNAバンドを切り出し、確認を行います
Long ssDNA Gel Extraction Kit について
長鎖ssDNAをアガロースゲルから切り出し抽出するためのスピンカラムキットです。
dsDNAと比較して回収率が低いと言われている長鎖ssDNAが高収率・高純度で得られます。
3kbまでのssDNA精製用と3~10kbのssDNA精製用のキットがあります。
本キットによる長鎖ssDNAの精製例
他社カラムキットとの比較
当社キット(DS640 & DS650)と他社キットA, B, Cとの比較を行った。種々の長さのlssDNA(2μg)をアガロースゲル電気泳動で分離した後、対応するバンドのゲル片を切り出し、各社キットを用いて抽出回収(40μl溶出)した。回収したlssDNA 各16μlを取り、100μlに希釈して吸収スペクトルを測定した(上図)。一方、各5μlを取りアガロースゲル電気泳動を行った(下図)。
両実験結果は、いずれの長さのlssDNAも当社キットを用いた場合の回収率(79%~93%)が最も高いことを示していた。上図の結果から、AとBでは、 lssDNA中にゲル溶解剤GuSCNが混入し、吸収スペクトルによる正確な定量を難しくしていることがわかる。またCには一見ゲル溶解剤の混入は見られないが、NaI(ゲル溶解剤)を用いていることから吸収スペクトルではその混入を追うことはできない。また、アガロースゲル電気泳動の結果(下図)は、当社キットの回収率が高いことを示しているとともに、特に長い6Kbと10kbのlssDNAで分解の程度が軽微であることを示している。
使用文献
DS615 / DS625 (旧DS610 / 旧DS620)
Liu B. et al., Nature Immunol., (2017) 18(5), 499-508.
Xia P. et al., Nature Immunol., (2018) 19(2), 141-150.
Zhu P. et al., Nature Cell Biol., (2018) 20(10), 1134-1144.
Wang Y. et al., J. Hepatol., (2018) 69(4), 861-872.
Zhu P. et al., Nature Immunol., (2019) 02;20(2), 183-194.
Ranawakage D. C. et al., Front Cell Dev. Biol., (2021) 11, 8, 598634.
Eto T. et al,. Sci. Rep., (2021) 11(1), 11770.
Lai S. et al., Sci. Rep., (2022) 12, 8837.
Asamitsu S. et al., Sci. Adv., (2023) 24, 9(8), eade2035.
Morgner J. et al., Dev. Cell., (2023) 10, 58(7), 535-549.
Ohmori I. et al., Neurobiol. Dis., 2024 May 7;15(3):1384-1397.
Nozaki S. et al., J. Bacteriol., (2019) 201(5).
Krishnan V. et al., Biosensors (Basel), (2022) 1, 12(6), 383.
DS611 or DS612
Wei L. et al., Nature Commun., (2021) 1, 12(1), 1591.
Bisia A. M. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2023 Oct 31;120(44).
DS640
本製品は以下の特許によって保護されています。
特許第7004651号
特許第7305812号
コード
製品名
Long ssDNA Preparation Kit for 1.5kb, Academic
(-1.5 kb, 国公立機関・大学)
容量
1kit
価格
80,000円
製品マニュアル
コード
製品名
Long ssDNA Preparation Kit for 1.5kb, Commercial Entities
(-1.5 kb, 企業・営利団体)
容量
1kit
価格
160,000円
製品マニュアル
コード
製品名
Long ssDNA Preparation Kit for 3kb, Academic
(1.5-3.0kb, 国公立機関・大学)
容量
1kit
価格
80,000円
製品マニュアル
コード
製品名
Long ssDNA Preparation Kit for 3kb, Commercial Entities
(1.5-3.0kb, 企業・営利団体)
容量
1kit
価格
160,000円
製品マニュアル
コード
製品名
Long ssDNA Preparation Kit for 10kb, Academic
(3-10kb, 国公立機関・大学)
容量
1kit
価格
120,000円
製品マニュアル
コード
製品名
Long ssDNA Preparation Kit for 10kb, Commercial Entities
(3-10kb, 企業・営利団体)
容量
1kit
価格
240,000円
製品マニュアル
※ sequence ファイルにはパスワード(Access ID)が設定されております。製品の箱に記載されているAccess IDをご入力ください。
コード
容量
600μl
(30Loadings)
価格
15,000円
製品マニュアル
BDLはフナコシグループの一員です。
BDL製品をご購入の際は、フナコシ株式会社製品取扱い販売店にご注文ください。
…実験お役立ち情報…
実験に役⽴つTIPSや基本情報をご提供します