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実験TIPS

コンピテントセル使用時の注意点とトラブルシューティング

注意点とトラブルシューティング

コンピテントセルの形質転換(transformation, トランスフォーメーション)とは、プラスミドDNAをコンピテントセルに導入する操作です。日常的に行われる実験操作ではありますが、小さなポイントに不備があると、「コロニーが出ない」「コロニーが少ない」などの問題が生じることがあります。


保存条件
  コンピテントセルは温度変化によって形質転換効率(コンピテンシー)が低下します。納品時にはドライアイス同梱の容器から直接-80℃のフリーザーに移して下さい。

DNA純度
  エタノール沈殿、カラム精製キットなどでできるだけ不純物を除いてください。エレクトロポレーションを行う場合は特に脱塩が大切です。
  ライゲーション産物などを使用して形質転換を行う際、(DNA量に余裕がある場合は)フェノール/クロロホルム処理およびエタノール沈殿を行うと形質転換効率が上昇する場合があります。

DNA量
  形質転換に用いるDNA量を増やすと得られるコロニーの数が増加します。ただし、コロニー数の増加とDNA添加量は直線回帰しないため、過剰にDNAを用いると見かけ上のコンピテンシーが低くなることがあります。

凍結融解
  コンピテントセルは再凍結によりコンピテンシーが大幅に低下します。氷上で融解し、すぐに使用してください。ただしJetGiga DH5α(#DS230)は融解・分注しての再凍結が可能です。

DNA添加後の撹拌
  コンピテントセルにDNAを加えた後すぐに撹拌して下さい。撹拌が激しすぎると形質転換効率が低下しますが、均一に撹拌されることも必要です。そのため、10回程度チューブを指ではじくようにしての撹拌をお勧めします。

ヒートショック
  ヒートショックの温度および時間は厳密に守って下さい。規定の温度および時間以外では形質転換効率が低下します。

形質転換を行った細胞の希釈
  プレーティングの際にコンピテントセルを希釈する場合は、 SOC、SOB、LBなどを使用して下さい。水などで希釈を行うと形質転換効率が低下します。

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